「薬科大学はいらない」!?

1ヶ月ほど前ですが、ネット上に次のような記事がアップされました。


「6年制薬科大学はいらない--井上晃宏(医師)」
http://senkensoi.net/opinion/2013/02/06650


記事の趣旨は、「薬学部教育は薬剤師の仕事に必要なものではなく、よって薬学部は不要である」というものです。
中でも、自分が印象深く感じた部分であり、またこの記事の肝でもあろう部分は以下の文章です。
「私は、薬剤師国家試験受験資格を全国民に開放し、国家試験合格者に、半年か1年程度の実務実習を公費で提供することを提案する。」
つまり、薬学部卒業の有無を問わず、薬剤師国家試験に合格した人は薬剤師になれるようにしよう、という主張です。

自分はこれを読んで、「そんなの暴論だよ…」と思いました。
思いましたが、しかし、恥ずかしいことに、この記事に上手く反論することができませんでした。
薬学部で育む資質には、試験で測れないようなものもある、とか、
薬剤師には幅広い領域の知識が必要だ、とか考えるのですが、
上記記事に既に述べられている
「国家資格職の教育内容は、個別具体的な実務において、その知識が、直接役立つかどうかで決めるべきだ。
そうしないと、教育コストは際限なく膨らむ。」

にはなるほどと思わされてしまって、我ながら、それを崩せるような主張はできていないなあと思ってしまうんです。

薬学部に通わなくても薬剤師になれる、というのは、以前の法曹の場合に似ていると思います。
現在は原則法科大学院の修了が必要ですが、以前は、法曹になろうとする場合、司法試験に受かりさえすれば法学部に通う必要はありませんでした。
実際のところそれで法学部行かずに司法試験受かった人がどれくらいいるか分かりませんが、法学部教育受けてないってことが問題になったことはないような気が。
法曹と薬剤師を一緒に語ることはそもそもできないわけですけど…。


うーん、なんか、もやもやします。
賛成ではないけど、反論もできない。情けないけど。